【2025年】エアブラシ・塗装用具の選び方 塗装に必須のアイテムや種類別おすすめ3選をご紹介

エアブラシ・塗装用具の選び方
エアブラシ・塗装用具の選び方

最終更新:2025/1/10

プラモデルやガレージキット、ハンドクラフト、コスプレ小物などの完成度を上げるために塗装は欠かせません。
塗装には筆塗りやエアブラシ、スプレー缶入りの塗料を使用するなどの方法がありますが、中でもエアブラシ塗装はサイズの大きい 模型からネイルアートのような細かな彩色まで、誰でもキレイに仕上げられる便利な工具です。
ここではプラモデルをメインに、塗装に使用するエアブラシの選び方ポイントやおすすめモデル、一緒に揃えておきたいアイテムをご案内します。

誰にでもきれいに塗装できる塗装工具「エアブラシ」



圧縮された空気でミスト状になった塗料を吹き付けるエアブラシ。筆塗りではテクニックも時間も必要な「広い範囲を薄く平滑に塗る」塗装が誰にでもできます。また、塗料の濃度や噴霧量を調整することで、模様を描いたり、グラデーションをかけたりと、缶スプレーにはできない繊細な塗装表現も可能です。
エアブラシ本体や塗装ブースなど最初に揃えなければならない道具が多く、導入に踏み出せないという声も多いエアブラシですが、近年は小型・静音なモデルも増えてきました。使い慣れてしまえば失敗も少なく、誰でも見栄えする仕上がりを得られるため、これからいろいろな模型の塗装に挑戦したいという方は、ぜひ早めに揃えることをおすすめします。

エアブラシの選び方



【ポイント1】エアブラシの構成をチェック

エアブラシはコンプレッサーから送られた圧縮空気で塗料を霧状に吹き付ける道具です。手元で操作する噴射部分をハンドピース、エアー圧を調整する部分をレギュレーターと呼び、本格的なエアブラシは主にこれら3つのパーツで構成されています。近年は手ごろでコンパクトなコンプレッサーが登場しており、レギュレーターを介さない場合もあります。それぞれ別個に揃えることもできますが、最初はセットになっているものを選ぶことをおすすめします。

ハンドピース

手に持って吹き付け操作を行うエアブラシの要となる部分です。ボタン式・トリガー式といった操作方法の違いや塗料の噴出量の違いがあり、複数のハンドピースを使い分けて塗装する場合もあります。

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コンプレッサー

空気を圧縮し送り出すのがコンプレッサーの役割です。広い面を一気に塗るための大口径ハンドピースには強力なものが必要になります。電動で作動音や振動があるため、設置場所や使用する時間帯には注意しましょう。

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レギュレーター

コンプレッサーから排出される空気を減圧し、安定させます。また、空気中に含まれる水分やチリを取り除く働きもあります。コンプレッサーに組み込まれているのが一般的ですが、コンパクトタイプなど低圧力の機種では省かれている場合があります。

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初めての一本におすすめ【充電式エアブラシ】
今人気が高まっているのが、バッテリー内蔵の小型コンプレッサーとハンドピースがセットになった充電式エアブラシです。コンプレッサーごと持って使用するため振動が床に伝わりにくく、スタンド不要で自立するのも便利です。
コンプレッサーのパワーは大型のモデルと比べると弱く、エアー圧の細かな調整はできませんが、ロボットやバイクなど小型のキットのシンプルな塗装なら難なくこなすことができ、初めての方が感覚を掴むのには最適です。

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【ポイント2】操作方法で選ぶ

「操作方法・ノズルの太さ・カップの形式」この3つの違いがエアブラシを選ぶときの主なポイントになります。操作方法によってハンドピースの握り方や動かし方が変わってくるため、使いやすい一本を見つけられると作業効率も上がります。

●ダブルアクション
ボタンを押すと空気、さらに手前に引くと塗料が出る2段階方式です。引き具合によって吹き付け量を調節できるので、グラデーションや迷彩などさまざまな塗り方が可能。もっともポピュラーなタイプのハンドピースです。

●シングルアクション
ボタンを押すと空気と塗料が同時に出るシンプルな方式です。塗料の噴出量は後部のダイヤルで行うため、吹き付け中に噴出量の調整はできませんが、広い面のベタ塗りなど量を調節する必要がない場合に活躍します。

●トリガーアクション
トリガーを軽く引くと空気、そのまま強く引くと塗料が出るタイプで、ボタン式よりも指が疲れにくいのが特徴です。トリガーの引き方で吹き付け量を調節できますが、ダブルアクションと比べると吹き付け量の調整は難しくなります。




【ポイント3】ノズルの太さで選ぶ

エアブラシはノズル口径の大小によって塗料の噴出量が異なり、また空気使用量も異なります。0.3mmを標準として、細い線を描くなら0.2mm、一度に広範囲を塗るなら0.5mmなど、塗装するものや塗装の工程によって最適な口径が変わってきます。

●0.2mm
ネイルアートなどにも使用される細吹き専用タイプ。狙った場所だけに塗料を吹くことができるため、ミニスケールの模型やフィギュアの塗装のほか、細かい模様も描けます。

●0.3mm
一本は持っておきたい標準的な太さのタイプです。パーツとの距離や吹き出し量の調整で融通が利きやすく、オールマイティーに使用できます。

●0.5mm
広い面のベタ塗りに最適な大口径タイプ。光沢塗料のツヤがより引き立つため、カーモデルなどにおすすめです。塗料が詰まりにくいため粒子が荒いサーフェイサーにも最適です。




【ポイント4】塗料カップの形式をチェック

●分離型
カップを交換して別の色の塗装に素早く移行したり、一気にベタ塗りするために大容量のカップに差し替えたりといったことが可能です。接続部分など塗料が潜り込みやすいため、使用後の掃除は一体型よりひと手間多くなります。

●一体型
カップ一体型のハンドピースは比較的コンパクトで、塗料カップを取り外さずにそのまま洗えるので使用後の掃除がラクなのが特徴です。別の色を塗りたい時に、その都度カップをキレイに洗浄する必要があります。




【ポイント5】コンプレッサーの性能をチェック

入門向けである充電式やコンパクトサイズのエアブラシセットではあまり意識しない部分ですが、本格的なコンプレッサーはパワーも容量も段違いで、連続で使用できる時間も長くなっています。その分、圧力を上げると駆動音が大きくなるなど、使用できる環境が限られてきます。
コンプレッサーを選ぶ際は、塗りたい模型と使用環境、予算がポイントになります。

●コンプレッサーを選ぶ際のポイント

・定格圧力(連続使用圧力)
コンプレッサーが安定して出せるエアー圧が定格圧力です。
プラモデル用なら、圧力は0.05~0.3Mpa程度が目安になります。カーモデルのツヤ出し塗装など粘度の高い塗料を使用するなら0.1~0.3Mpa、細かいパーツや狭い部分の塗装は0.05~0.09Mpaの設定が最適です。
コンプレッサーのエアー圧はレギュレーターで絞れるので、幅広い用途で使いたい場合はパワフルなモデルを購入しておいて無駄になることはありません。

・吐出空気量
吐出空気量は1分間に送り出せる圧縮空気量を表した数値です。数値が大きいほどタンク内に空気が早くたまり、連続使用圧力を保ちやすくなります。
ハンドピースの口径が大きいほど必要な空気量も多くなってくるため、ノズル経0.3mm以下なら5L/分、ノズル経0.5mmであれば10L/分を目安に選ぶのがおすすめです。

・動作音量
集合住宅や家族のいる家などではコンプレッサーの駆動音にも気を付けたいところです。圧力が高いほど駆動音も大きくなります。
防振マットを敷いたり、自作の防音ボックスに入れて使用するなどの工夫で音を抑えることができます。

・定格時間(連続使用時間)
定格時間とは、安定した定格圧力を保てる時間のことです。電源に繋ぐタイプのコンプレッサーであっても、連続使用時間を超えて使用し続けると故障の原因になります。
使いやすいのは1時間以上のモデル、さらに3時間以上使用可能なモデルならパーツの多いプラモデルやガレージキットもストレスなく塗装を続けられます。




【ポイント6】塗装ブースを選ぶ

室内でエアブラシなど吹き付け塗装を行う際には、空気中に塗料が飛散しないように塗装ブースを併せて使用します。換気ファンとホースで塗料を吸引し外に排出するため、溶剤の臭いが部屋に充満するのも防ぎます。

●塗装ブースを選ぶ際のポイント

・設置場所
塗装ブースは排気ダクトを外に出せる窓のそばに置く必要があります。また、ファンが内蔵されているため奥行のサイズが大きくなっています。これらの条件に合うスペースを用意しましょう。

・ファンの種類
塗装ブースのファンには吸引力の強いプロペラファン、静音性の高いシロッコファンなどがあります。また、ファンを2基搭載したツインファンタイプもあります。

・作業スペースの広さ
塗装ブース内側のスペースも、塗装したい模型のサイズに対して十分な広さのものを選びましょう。小さい塗装ブースだと、エアブラシの取り回しが悪くなり作業しにくくなってしまいます。

・収納性
こまめに片付けないといけない環境の場合は、折りたたんだりパーツごとにばらしてコンパクトに収納できるブースがおすすめです。

●ファンなし簡易ブース
もし臭いの気にならない水性塗料しか使わないということであれば、ファンなしの簡易ブースも候補に入ります。
高圧でなければ塗料の吹き返しを抑えることができ、ファンの音を気にする必要もありません。

よくあるご質問


ハンドピースは毎回しっかり掃除したほうが良い?
塗装が一段落したらカップ内やハンドピースのノズル先端、ニードルに付着した塗料は残さないように掃除しましょう。次回使用時に詰まってしまっていたり、色が混ざってしまうことがあります。
ただし、使うたびに分解して洗浄する必要はありません。パーツの紛失や組み立てミスなどのおそれがあるため、調子がおかしいと感じた時のみにしましょう。
工具用のコンプレッサーもプラモ塗装に使える?
通常のコンプレッサーもエアブラシ用として使用できますが、圧力が大きいためレギュレーターが必須です。また、ハンドピースと連結ホースのジョイント規格が合わない場合はアダプターも必要になるため、別で用意したほうが結果的に費用を抑えられるケースもあります。

おすすめエアブラシセット・塗装ブースをご紹介

様々なニーズに応えるおすすめモデルをラインアップ



ハイハイ コードレスエアブラシ [HH-1096]

バッテリー残量がひと目でわかるスリムな充電式エアブラシ。ホースが付属しているため、ハンドピースだけを持って塗装することもできます。

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GSIクレオス コンプレッサー カロンセット [PCD02]

コンパクトながら約1時間の連続使用が可能。同社製ハンドピースと接続できるため、ガンダムマーカーエアブラシなどもより使いやすくなります。

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タミヤ タミヤ No.44 HGコンプレッサーレボII (HGトリガーエアーブラシ付)] [74544]

コンプレッサーは安定した圧力と風量を確保しつつも、作動音や振動を極力押さえ込んだ構造。長時間でも疲れにくいトリガータイプのハンドピースが付属しています。

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タミヤ ペインティングブースII (ツインファン) [74534]

強力なツインファンと特殊構造のフィルターパネルによって中心以外でも優れた吸引力を発揮。エアブラシだけでなく缶スプレーでも使用できます。

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GSIクレオス Mr.スーパーブースコンパクト [FT03]

省スペースな塗装ブースをお探しの方におすすめ。シンプルな構造で、フィルターやフードが汚れた場合は簡単に交換ができます。

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塗装に役立つ必須アイテム

防毒マスク

揮発した有機溶剤を吸わないようにするためには防毒マスクが必要です。一般的なマスクや防塵マスクでは防ぐことができません。水性塗料の筆塗り・マーカー塗装以外の場合は最優先で購入してください。

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使い捨て手袋

スプレー・エアブラシ塗装をはじめ、塗料が手に付くのを避けたい場合は手袋をして作業しましょう。薄手で手にぴったりはまり、溶剤への耐性が強いニトリル手袋などがおすすめです。

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メガネ型ルーペ・ヘッドルーペ

手元を拡大しながら両手も使えるハンズフリーのルーペ。細部が良く見えることで指先のブレも抑えられるため、正確な塗装を行うことができます。

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キムワイプ

吸水性が高く、ティッシュや綿棒と違い繊維の毛羽立ちがほとんどないため、塗装用具の掃除や塗料瓶のフチを拭う、パーツの汚れやホコリを取り除くなど多岐に渡って活躍します。

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静電気除去ブラシ

ホコリの巻き込みは塗装の天敵です。ホビー用の静電気除去ブラシなら塗装前にホコリを取り除くだけでなく、付きにくくしてくれます。

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超音波洗浄器

整えたパーツを塗装前に洗浄。パーツのミゾなどに入り込んでしまったヤスリのカスやゴミを浮かせて取り除くことができます。

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コンプレッサーを使用しないスプレータイプの塗装用具

塗装頻度や騒音などの問題でエアブラシのシステムを揃えるのが難しい方には、エアー缶を使用する商品もあります。ただし、長時間使用すると缶が冷えてエア圧が下がる、エアー缶の買い替えコストがかかるといったデメリットもあるため、可能なら手ごろな充電式エアブラシなどを1本持っておく方が便利です。

プロスプレー

エアー缶をチューブでハンドピースに繋いで使用します。ハンドピースは塗料のボトルを取り付ける吸い上げ式を採用しています。

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イージーペインター

専用ボトルを取り付け、缶スプレー感覚で使用できるアイテム。瓶塗料にしかない色や自分で調色した色をカンタンに吹き付けできます。

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ガンダムマーカー
エアブラシシステム

プロスプレーと同様のシステムで、固定したマーカーから塗料を飛ばします。ムラができやすいマーカー塗料を滑らかに塗ることができます。

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